そのうちの一つが、去年の父との旅行です。
父と旅行をするために、去年の3月11日に日本行きの計画をしていました。
そして出発の日に東日本大震災があり、飛行機はキャンセルに。
その大惨事時に日本へ行くべきかどうか本当に迷いました。
父の容態が落ち着いている今、最後になるかもしれない旅行に、
父をどうしても連れて行ってあげたいという弟の思いに負けてしまいました。
日本についてからの日々は、毎夜中に震度5の余震に起こされたり、日中びくびくしたり、
放射能レベルを心配して殆ど家のなかですごしたり、
節約停電のためろうそくをつけて2,3時間以上みんなで
座って時間のたつのを待っていた時もあるそんな毎日でした。
家族が住んでいる千葉県では通常の生活を送れる状態でなかったのを覚えています。
でもそんな日々の中、弟家族と私は父を車椅子に乗せ、
房総半島にある勝浦市のホテル3日月に到着。
途中、高速でも観光地でも車や人影は全然ありませんでした。
もちろん大震災後、ホテルには何千人という予約が入っていたのにすべてのお客様がキャンセルしたということでした。お客様は私たちだけ。弟家族の部屋と私と父が一緒の部屋です。
部屋係りの女性と親しく話をして笑っていた父の顔がとても印象的でした。
そういえば旅行中殆ど笑顔で過ごした父。
こんなに嬉しそうにしている父を見たのは久しぶりでした。
こちらに遊びに来たときに見せるあの笑顔。
温泉には入れなくても、部屋にあるお風呂に弟と甥2人が手伝って入れてあげたときの
こぼれそうな笑顔。
その後家族でお食事に。
食材が限られているので、あるものでと出されたお料理は最高の品々でした。
父を部屋に残して義妹と温泉に入って眺めた海の景色。
金無垢の1億5千万円するという黄金風呂にも入ってきました。
2日目は雨の中家路へ。
無事に家へ着き、父は1泊して再び入院している病院へ帰っていきました。
大変な時期だったけど、大好きだった父と一緒に過ごせた貴重な2日間。
あの時帰国しておいて本当に良かったです。それが最後の親孝行になりました。
最後まで読んでくださり有難うございました。
部屋から見た外の景色。曇り空だったので波が少し荒れていました。 |
読んでて涙が出てきてしまいました。
返信削除ほんとうに大変な時期だったけれど、みんなの心に残る思い出の旅行が出来て、
叔父さんも天国で叔母さんたちに楽しい思い出の話をして笑っている姿が目に浮かんできました。
優しい弟さんですね。そして、とんでもない時期でしたけど、行って良かったですね。お父様も、子供さん(みち子さん、弟さん)たち、お孫さんたちの優しさをたっぷり受けて、本当に心から喜んでいらっしゃったのでしょうね、それが素敵な笑顔になって自然とこぼれていらしたのでしょう。色んなハプニングも、良い思い出ですね。本当に素敵なご家族をお持ちですね。美智子さん!それから、親孝行は親が元気なうちにしっかりしておかないといけませんねー。
返信削除美保ちゃん、秋子さん
返信削除実は父のことを書くのはまだ少し早いかなと思って書き始めたんですけど、これを書いている時から、思い出が次から次へと浮かんできて涙がとまらなくなってしまいました。。。
そうですよ!親が元気なうちに沢山親孝行してあげてくださいね。